胃がんでの貧血の起き方

胃がんの場合でも貧血は生じます。がんの進行によるものと、胃がんの手術後によるものが考えられます。

・がんの進行による貧血

胃がんが進行していくと、貧血が急速に進み、ふらつきや、顔が青ざめる、血圧が低下することもあります。では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

それは、腫瘍が出血を起こすからです。がん細胞は、正常な細胞よりも酸素や栄養を必要としています。そのため、細胞分裂を活発に行い、血管新生という新たな血管を体内に次々

と作り、その血管から栄養を補給していきます。しかし、この血管新生は、血管が脆く、出血しやすいのです。胃がんの場合、胃で出血し、少量であれば血便が起き、徐々に出血

量が多くなると、黒いドロっとした便(タール便)が生じたり、吐血したりすることもあります。

このように、がん細胞の出血から、血便、吐血などが生じ、血液が体外へ排出さ

れるため、貧血が起きてしまいます。

なお、がんの進行により、骨髄に転移していることにより貧血を起こしている可能性も考えられます。骨髄は赤血球を作り出す重要な場所です。赤血球の中にヘモグロビンという

酸素と結びつく性質のものがあります。そのため、赤血球の数が減ると、体に十分な酸素が行き渡らず貧血に繋がります。骨髄はこの赤血球を作り出す場所であり、骨髄にがんが

転移すると、がん細胞により骨髄が正常に機能せず、貧血を引き起こします。

・胃がん手術後による貧血

胃がん切除手術を行った後に貧血を生じることもあります。これは、鉄分とビタミンB12

の吸収が十分に行われないためです。これは、鉄分やビタミンB12は、胃酸の働きが必要ですが、手術により胃酸の分泌が減り、必要な栄養素が吸収できないため鉄分やビタミン

B12の吸収が不足して貧血に繋がります。なお、手術後すぐにみられるものでなく、手術後3年以上経過してから起こることが多いです。

・鉄欠乏性貧血

これは、鉄分が不足することで貧血が起こります。術後3年で起こることが多いです。鉄

分は、酸素と結びつくヘモグロビンを構成するための材料です。そのため、鉄分が吸収するとヘモグロビンを構成できず、貧血を引き起こします。

・巨赤芽球性貧血(きょせきがきゅうせいひんけつ)

これは、ビタミンB12の不足による貧血です。術後5年で起こることが多いです。ビタミンB12は赤血球の産出を助ける働きがありますが、ビタミンB12が不足することで正常な

赤血球が作れずに貧血を引き起こします。

 

鉄分とビタミンB12の不足で生じる貧血は、食事療法だけでは改善が難しく、鉄剤の服用をしたり、注射を行って改善する必要があります。

<胃がんの初期で痩せる>

胃の不調を訴え、食欲不振になって、検査したら胃がんが見つかるケースもありますが、胃がんの手術後にも食欲不振を起こし、極端に痩せることもあります。

胃がんの手術後に起こる極端な体重減少は、胃を切除し、大きさが変わってしまうという要因だけでなく、胃で9割以上分泌されるグレリンというホルモンが欠乏することも要因

に挙げられています。グレリンは、食欲を増進させる、エネルギーの保存などを促すホルモンであり、術後、ホルモンが不足して食欲不振を起こし、食事量が減ることで体重減少

に繋がります。
なお、胃の手術後は消化作用が下がるため、下痢が起こることもあります。下痢が生じる

と小腸での栄養の吸収が妨げられ、体重が減少し、痩せることに繋がります。

<胃がんになったらまず何をする>

胃がんの初期症状に気付けずに進行してから気付くケースが多いようです。
進行する前にステージⅠで気付くことができると生存率は高く、約97%の確率で治るとい

われています。進行するにつれ生存率は下がるため年に1度は検査を行う必要があります。
なお、検査で胃がんが見つかった場合、より詳しく調べるために精密検査を行う必要があ

ります。

 まとめ

 

胃がんによる貧血は、胃がんの進行により胃の内部で出血して起こるものと、胃がんの切除手術後に鉄分、ビタミンB12の不足によって起こるものがあります。どちらも、医療機

関を受診する必要があります。

また、胃がんで痩せる場合、転移し、食欲不振を起こす場合もあれば、術後、グレリンというホルモンが不足することで起こる場合もあります。また、手術後は消化機能も低下し

ているため、消化作用を助けるため、食べ物をよく噛み、唾液と混ざり合って口の中で消
化を促す方法があります。

胃がんは早く見つければ見つかるほど、治療方法もあり、生存率も高いです。そのため、定期的に検査を行っていく必要があります。大切なのは早期発見です。